Ordinary Day

主に自転車に乗った忘備録 と、いろいろ。

望郷ラインと河岸段丘と

6月7日。

この日まで目まぐるしく変わる土日の天気予報に一喜一憂した。

仕事の合間にスマホで各天気予報サイトを見回る。見るごとに変わる天気予報。これで給料もらってるのはどうなの?と愚痴の一つも言いたくなるほどのどのサイトも奔放な予報を発表してるように思ってしまう。それだけ、梅雨入りすぐの予報は難しいのだろう、というのは重々承知しているのだ。そんなことを思ってしまう自分自身が我儘勝手だということも。

それでも埼玉に行くことは決定している。

元々は自転車には関係なく、9日に行われる贔屓のアーティストのコンサートに行くため。

埼玉といえば、最近仲良くして頂いてるナガヤマ (id:nonsugarcafe)さんが近くにお住まいで、できれば前日の8日に自転車でご一緒できないかと、随分前に相談させていただいた。
ナガヤマさんはとても親身に、天気予報によって行けるところも違うだろうと、たくさんのルートを用意してくれていた。
関東地方には自転車どころか、地理関係も良くわからないところ。
晴れてれば、ベタでも日光方面に・・と楽しそうなルートも用意してくれていた。日光は中学の修学旅行に行ったきりだ。そんなガキの頃にいろは坂とか東照宮とか行ったところで感動などするはずもなく、ただ、「遠いところに来た」くらいで他には何も感じることなかった。今、自転車で走ることが出来たなら、どれだけ感動できるだろう。とても、楽しみにしていた。


7日の朝、残念ながら日光の方面は予報が芳しくない。どころか、関東方面がもう全体的にいい予報ではなくなった。朝の時点でもう諦めて、ナガヤマさんには「自転車持っていくのを諦めます」というLINEをしていた。仕事を終えて自宅に戻り、もう一度予報サイトを見てみると、どのサイトも雨ではなく、曇でちょっと晴れ間もあるかも。。な予報になっていた。

また当日になったら雨になるかもしれないけれど、自転車を持っていかないのも後悔しそうなので、コルサではなくDAHONを持っていくことに。

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名古屋から1時間40分。小雨の降る東京駅に着いた。のぞみは速い。
ここから在来線での越谷までの道のりは自転車を担いで来るのは大変だろうと、ナガヤマさんは仕事の都合をつけてわざわざ迎えに来てくれた。東京駅から秋葉原、浅草を通って越谷までの東京見物。荒川のサイクリングロードには雨のため誰もいなかったが、人口が岐阜とは半端がないだろうから天気のいい時はとても賑わうんだろうなと思いつつ景色を眺めて無事に埼玉へ。

ホテルまで送ってもらって、折り返してた晩御飯をご一緒してくれるためにまた車をおいて電車で戻ってきてくれると仰ってくれた。その時、琵琶湖でご一緒だったSさんも一緒に来てくれ、餃子で乾杯して、明日の予定を教えていただいた。残念ながら、日光の方はやはり予報が芳しくなかった。

群馬まで、車載で連れて行ってくれるという。


「望郷ライン」

すごくいい名前だ。一気に興味を持ってしまった。

「デポ地に温泉があるので、もし雨に濡れてしまってもさっぱりして帰ることが出来ます。」

とても予備のプランとは思えない。引き出しの多いナガヤマさんには感服だ。

明日は5時に。ということで早々に引き上げて、越谷駅まで迎えに来てもらい、3時間の車の旅。





ひたすら、平地が続く。

関東平野の広大さは、直ぐ側に山が見える岐阜とは景色がまるで違う。一週間いたらきっと、気が狂うんじゃないだろうか(笑)
やっと、赤城山が見えてきて山道を登りだす。なんか、安心した。

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道の駅 白沢に到着してダホンを下ろす。天気は曇ってはいたけれど雨が落ちてくるような感じではなかった。ここから素敵な、いきなり自転車ならではの田んぼの中を通る道でサイクリングがスタート。

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ところどころ雲も切れて青空も。良かった本当に持ってきて。
あぜ道をつないだ道は車も少なく、順調に景色を楽しむため止まりながら進んでいく。

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のどかな景色。ストレスが溶けていく。

後閑駅での小休止の後、いよいよ望郷ラインに。
このあたりから一気に雲行きが怪しくなり、望郷ラインに接続した途端に雨が落ちてきた。はじめは粒が小さくて、これくらいなら・・と思っていたのだがやがて本降りに。

運良く近くに高速の下があったのでそこで様子を伺うことに。
意外と標高があるところだったのだが、これだけ濡れても寒さはあまり感じなかったのが救い。

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しばらくして少し雨脚が弱くなったので進むことに。

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雨の降り方は嫌だなぁって感じではなく、細かいのがしとしと・・な状態。加えて車がほとんど通らない。自転車的に快適な道路。
雨に濡れた緑を見ながらゆるゆると上り、三峰山の長いトンネルを走る。
1600mの直線のトンネルは出来たばかりの雰囲気だったけれど、ナガヤマさんが「10年くらいは経っていますよ」とのこと。

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画像でも分かる通り、とても暖かいトンネルの中で助かる。
反響音を確かめて楽しむSさん夫妻もとても楽しそうだ。

トンネルを越えて、路面が濡れてる&小径車の不安定さがせっかくの下りの楽しさをスポイルしたものの、相変わらず舗装は良くて景色は素晴らしい。

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雨はまだ、細かく落ちてきていたけれど、上空の雲の色が凶悪じゃなくなってきた。これ以上、ひどく降られることは無いだろうなと思いつつ、2つ目のトンネルに入ると、今度はひんやりとしたトンネルだった。ちょっと冷えるな。。と感じては走っていたのだが、先頭を走るナガヤマさんはスリムな体型なのでこの冷えに参ってしまったらしく、ウインドブレーカーを着込むも寒そうだ。
標高を見ると600m弱である。そこから一旦下り7%くらいの上り坂で体を温めようとされていたようだけどあまり効果がなかったみたい。私と言えば脂肪の塊なのでそんな心配は一切必要なく、眼の前の坂道とひたすら戦って汗が滲んでくるほどだったのだけど。

下り道を降りてきて、永井酒造に立ち寄る。ここに併設されたカフェでコーヒータイム。

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雨に濡れた体には、ここのひんやりした空気は少し辛かったけれど
温かい水出しコーヒーと蒸しパンでかなり温まることが出来た。

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ちゃんとせいろで蒸され温かい蒸しパンを演出。とっても酒粕のお味が良かった^^

日本酒好きのS夫妻が五号瓶をジャージの背中に入れてお持ち帰りしようと試みるものの、生酒ということで温まっちゃうとまずいので断念。悔しさが顔に滲んでて面白い。

カフェから出ると外は青空が覗いてて、路面もすっかり乾いていた。太陽の暖かみを感じ、空気はとても爽やかになってた。もう今日は、雨の降ることは無いだろう。

いよいよクライマックスの河岸段丘を眺める事ができるビュースポットへ。

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写真じゃ、全く伝わらないけれど素晴らしい景色がそこに。

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赤城山もキレイに眺めることが出来、しばらくここから足が動かなかった。初夏の青空、雨に洗われて生き生きとした緑と澄んだ空気。車では味わえない体験。自転車最高だ。

しっかりと堪能して道の駅に無事到着。

ここの望郷の湯も素晴らしい。地元岐阜に多いヌルヌルのお湯でしかも赤城山を眺めることが出来る絶景の露天風呂とレストラン。完璧なサイクリング。

ここまで連れてきてくれたナガヤマさん、ご一緒してくれたSご夫妻には本当に感謝。



Relive '望郷ラインと河岸段丘'